マリオネットラインをヒアルロン酸で改善〜原因から治療法まで専門医が徹底解説
目次
1. マリオネットラインとは
2. マリオネットラインができる原因〜複数の要因が重なり合って形成される
3. マリオネットラインの改善〜ヒアルロン酸注入による治療
4. マリオネットライン治療の仕組みと効果
5. 他の治療法との併用で、より確実なマリオネットライン改善を
6. ヒアルロン酸でマリオネットライン改善の施術の流れと副作用・リスク〜安全性を最優先に
7. 予防とホームケア〜日常的なケアで効果を長持ちさせる
8. よくある質問
9. まとめ:ヒアルロン酸でマリオネットラインを改善

マリオネットラインとは
口角の両端から顎に向かって縦に伸びる溝状のライン・・・これがマリオネットラインです。腹話術や人形劇で使用される操り人形(マリオネット)の口元のラインに似ていることから、この名前が付けられました。
このラインが深く刻まれると、実年齢よりも5〜10歳以上老けた印象を与えてしまいます。疲れた表情、不機嫌そうな印象、暗い雰囲気・・・マリオネットラインは見た目の印象に大きな影響を与えるため、多くの方が改善を希望される部位となっています。
ほうれい線
小鼻の両脇から口角に向かって伸びる線です。笑ったときに特に目立ちます。
マリオネットライン
口角から顎に向かって伸び、無表情でも目立つのが特徴です。
どちらもエイジングサインとして注目される部位ですが、発生する位置と原因が異なります。
この記事では、マリオネットラインの原因から効果的な治療法、セルフケアのポイントまで、専門家の視点から詳しく解説します。
マリオネットラインができる原因〜複数の要因が重なり合って形成される

マリオネットラインは 1つの原因で突然できるものではなく、複数の要因が重なって深く刻まれていくタイプのたるみ です。
改善には、まずその土台となる「なぜできるのか」を正しく理解することが重要です。
加齢による皮膚の変化が最大の原因
マリオネットラインは、年齢とともに肌内部の構造が変化し、支える力が弱まることで目立つようになります。
コラーゲンの減少(肌のハリ低下)
真皮の約70%を占めるコラーゲンは、ハリと弾力を保つ要となる成分です。
しかし加齢とともに減少し、
20歳 → 約80%
30歳 → 約40%
50歳 → 20%以下
まで低下します。
コラーゲン不足=土台が弱くなるため、マリオネットラインが出やすくなる大きな要因です。
エラスチンの減少(肌の伸縮力が低下)
肌の“バネ”として働くエラスチンも年齢で減少します。
40代 → 20歳時の約30%
50代 → 約20%
エラスチンが不足すると、肌が戻りにくくなり、たるみが進行します。
ヒアルロン酸の減少(保水力の低下)
1gで約6Lの水分を保持できるヒアルロン酸も加齢で減少します。
40代から急激に低下
60代ではピーク時の約25%
水分保持力が落ちることで、ハリが失われシワ・たるみが進行します。
線維芽細胞の機能低下
コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を生み出す「線維芽細胞」自体の働きも衰え、40歳時点で0歳を100%とすると 約50%以下 に低下
肌の若さを支える材料が作られにくくなり、マリオネットラインの形成が加速します。
表情筋の衰えで口元が支えられなくなる
口元には多くの筋肉が集まっており、特に口輪筋や口角下制筋が衰えると、
口角が下がる
口元の皮膚を支えられない
たるみが線状に深く刻まれる
といった変化を引き起こします。
顔の骨量の減少
加齢により顎の骨が痩せると、皮膚や脂肪を支える土台が弱くなり、
下顔面(口元〜フェイスライン)のたるみ ⇒ マリオネットラインが悪化
という流れが生まれます。
皮下脂肪の下垂と支持靭帯のゆるみ
重力で脂肪が下へ移動
加齢によって顔の脂肪は上から下へと移動しやすくなり、
フェイスライン
などの脂肪が口元へ集まって“重み”となり、マリオネットラインを深くします。

支持靭帯の緩み
皮膚と骨をつなぐ「支持靭帯」がゆるむと、皮膚を固定する力が弱まり、たるみが一気に加速します。
生活習慣もマリオネットラインを悪化させる
日常生活の中にも、知らないうちにマリオネットラインを深くしてしまう要因があります。
紫外線(UVA)によるダメージ
UVAは真皮まで到達し、コラーゲン破壊、エラスチン破壊、線維芽細胞のダメージを引き起こすため、「光老化」と呼ばれる強いたるみの原因に。
乾燥
乾燥するとターンオーバーが乱れ、保湿成分の生成も低下。
水分不足の肌は支える力が弱く、たるみが発生しやすくなります。乾燥している方が皮膚のシワも目立ちやすくなります。
喫煙
喫煙は血流悪化と活性酸素の増加により、コラーゲン生成が阻害し肌老化が加速するため、マリオネットラインが深くなる原因に。
睡眠不足
成長ホルモンが分泌される睡眠中に肌は修復されます。睡眠不足が続くと老化が進み、たるみが悪化します。
栄養バランスの偏り
コラーゲン合成に必要な栄養素(タンパク質・ビタミンC・鉄分など)が不足していると、肌の若さを保つことができません。
マリオネットラインの改善〜ヒアルロン酸注入による治療

マリオネットラインの改善方法として、最も一般的かつ効果的な治療法の一つが、ヒアルロン酸注入です。
ヒアルロン酸の特徴
体内に存在するヒアルロン酸をそのまま注入しても、短時間で吸収されてしまいます。
そのため美容医療で使用されるヒアルロン酸には、効果を長持ちさせるための「架橋(かきょう)処理」が施されています。架橋とは、ヒアルロン酸の分子同士を結びつけ、吸収されにくい構造に変える加工のことです。この架橋の方法や強さによって、ヒアルロン酸の持続力や使用される部位が変わります。
美容医療用のヒアルロン酸にはさまざまな種類があり、それぞれ粘度や硬さが異なります。
柔らかいタイプ
浅いシワや目元のような繊細な部位に適しています。
硬めのタイプ
深いシワや輪郭形成など、しっかりとした支えが必要な部位に使われます。
マリオネットラインの治療では、通常、中程度〜硬めのヒアルロン酸が使用されます。
また、日本国内で使用されるヒアルロン酸の中には厚生労働省の承認を受けた製剤もあります。代表例として「ジュビダームビスタ」シリーズ(ボルベラ/ ボリフト/ ボリューマ/ ボラックス)があり、品質・有効性・安全性について国が厳しく審査した製剤で、当院でもこちらを取り扱っております。
マリオネットライン治療の仕組みと効果

ヒアルロン酸をマリオネットラインの溝に直接注入することで、凹んだ部分を内側から持ち上げ、影を目立たなくするという方法がよく聞くやり方かと思います。しかし、口周りの脂肪が下垂してボリュームが多い方の場合はこのやり方だと余計にボリュームが増えてもたついてしまうことがあります。そこで、エラの角あたりに皮膚を引き上げながらリフトするような入れ方を私は併用することが多いです。このやり方ですと自然にリフトアップができ、その結果マリオネットラインも薄くすることが可能です。
また、頬の適切なポイントに注入することで、顔全体のボリュームロスによるたるみが改善し、間接的にマリオネットラインが目立たなくなることもあります。
ヒアルロン酸注入の大きなメリットは即効性です。施術直後から変化を実感でき、数日で表情と馴染んで自然な仕上がりになります。表情のクセや筋肉の動きに合わせて注入ポイントや量を調整することで、違和感のない自然な印象が得られます。
マリオネットラインが改善されると、口角が自然にリフトアップされたように見え、疲れた印象や不機嫌に見られやすい印象が軽減されます。その結果、顔全体が明るく、若々しい雰囲気になります。
持続期間と繰り返し施術の効果
ヒアルロン酸注入の効果は永久ではありません。
注入したヒアルロン酸は、時間とともに体内に吸収されていきます。
一般的な持続期間の目安は、
通常タイプ:6ヶ月〜1年程度
長期持続タイプ:1年〜2年程度
と言われています。
持続期間は使用する製剤の種類、注入部位、注入量、個人の代謝、生活習慣などによっても変わります。動きの多い部位は吸収が早くなる傾向があり、紫外線・喫煙・代謝の高さなどによって分解が早まる場合もあります。
また、施術を重ねることで効果が安定し、持続期間が長くなる傾向があります。
初回はヒアルロン酸が定着しにくいことがありますが、継続して施術を行うことで馴染みやすくなり、より持続しやすい仕上がりになります。
他の治療法との併用で、より確実なマリオネットライン改善を

マリオネットラインの改善は、ヒアルロン酸注入だけでも効果が期待できますが、他の施術と組み合わせることで、より高い満足度と自然な仕上がりが得られます。
ボトックスを併用して口角の動きを整える
口角を下方向へ引っ張る「口角下制筋」にボトックスを注入すると、
筋肉の過緊張が和らぎ、口元が引き上がったような印象になります。
ヒアルロン酸:溝をふっくらと持ち上げる
ボトックス:筋肉の力を調整して下がりにくくする
この2つを組み合わせることで、より自然で持続的なマリオネットライン改善が可能になります。
糸リフトと併用して、たるみそのものを引き上げる
糸リフトは、医療用の特殊な糸を皮下に挿入し、たるんだ組織を物理的に引き上げる治療です。
マリオネットラインが深く、たるみが強い方は、ヒアルロン酸だけでは十分な変化が出にくい場合があります。
そこで、
糸リフト:顔全体をリフトアップ
ヒアルロン酸:溝を補い、構造的な凹みを改善
高周波を組み合わせて脂肪を引き締める
当院で導入しているオリジオKISSのような高周波による治療も効果的です。
ダウンタイムがほとんどなく、脂肪を引き締めてリフトアップとたるみの予防を同時に行うことができます。半年に一度くらいのペースで受けると良いでしょう。
高周波を組み合わせて脂肪を引き締める レーザー治療を組み合わせて肌質そのものを改善
当院で導入しているオリジオKISSのような高周波による治療も効果的です。
ダウンタイムがほとんどなく、脂肪を引き締めてリフトアップとたるみの予防を同時に行うことができます。半年に一度くらいのペースで受けると良いでしょう。 コラーゲンの生成を促すレーザー治療を併用すると、
肌のハリUP
小ジワ・くすみの改善
たるみの進行予防
といった効果が期待できます。
ヒアルロン酸でボリュームを補いながら、レーザーで肌内部を強化することで、
より長期的にマリオネットラインが目立ちにくい状態を目指せます。
症例経験から考える「併用治療」の重要性
これまで多くの施術を担当してきましたが、お客様一人ひとりの骨格・皮膚の質・たるみの程度によって、最適な治療法は全く異なります。
1つの施術だけで改善するケースもありますが、複数の施術を組み合わせた方が、より自然でバランスの良い結果が得られることが多いと感じています。
ヒアルロン酸でマリオネットライン改善の施術の流れと副作用・リスク〜安全性を最優先に

施術の流れ
当院でのヒアルロン酸注入治療の流れをご説明します。
カウンセリング
お悩みのヒアリング、お顔の状態の診察、治療計画の立案、リスクの説明、費用の説明を行います。疑問や不安な点があれば、遠慮なくご質問ください。
注入部位の確認
カウンセリングで決定した治療計画に基づき、顔全体のバランスを見ながら、最も効果的な注入ポイントを決定します。鏡を見ながら、お客様と一緒に確認していきます。
注入部位の冷却
痛みを軽減するため、アイスパックで冷却により痛みを和らげます。また、使用するヒアルロン酸製剤には、リドカイン(麻酔成分)が含まれているものもあり、注入中の痛みも軽減されます。ブロック麻酔は使いますかと聞かれることがありますが、ブロック麻酔はヒアルロン酸の場合は行いません。ヒアルロン酸の合併症として後述する血管の塞栓がありますが、痛みを完全にブロックしてしまうとこれに気付けなくなるからです。幸い当院では一度も塞栓させてしまった事例はありませんが、塞栓させない、万が一させてもすぐ対応出来るように最大限配慮しています。
ヒアルロン酸注入
注入には、通常の注射針または「マイクロカニューレ」と呼ばれる特殊な針を使用します。マイクロカニューレは先端が丸く、血管や神経を傷つけにくく、痛みや内出血のリスクが少なく、血管塞栓のリスクを最小限に抑えられます。注入自体にかかる時間は、約10〜20分程度です。
鏡で仕上がりを確認
左右のバランスや、希望通りの仕上がりになっているかをチェックします。必要に応じて、微調整を行うこともあります。
施術後の注意事項やアフターケアについて
何か気になることや、異変を感じた場合は、すぐにご連絡ください。カウンセリングから施術終了まで、初回は約60〜90分程度です。施術のみであれば、約30〜40分程度で完了します。
副作用とリスク
| 副作用・リスク | 内容・改善の目安 |
|---|---|
| 腫れ・赤み | 多くは軽度。数時間〜数日で自然に改善。 |
| 内出血 | まれに青あざが出る。数日〜2週間で改善。 |
| 痛み・違和感 | 注入部位が少し痛むことがある。数日で自然に治まる。 |
| しこり・硬さ | 馴染むまで硬く感じる場合あり。数日〜数週間で柔らかくなる。 |
| 血管塞栓(非常にまれ) |
血管に誤注入すると皮膚壊死・失明の可能性があります。 予防のため、解剖学的に危険な部位を避け、注入の深さを考慮し、むやみに多量の注入を行わないよう配慮しています。 塞栓の疑いがある場合は、ヒアルロニダーゼで即時分解する必要があります。 |
予防とホームケア〜日常的なケアで効果を長持ちさせる
マリオネットラインの形成を遅らせ、治療効果を長持ちさせるためには、日常的なケアも重要です。
スキンケアの基本
肌の乾燥は、シワやたるみの原因となります。マッサージをしないことも重要です。マッサージは短期的な効果しかなく、長期的に見ると皮膚が伸びてしまいたるむリスクとなります。お肌は擦らないように気をつけましょう。
洗顔後すぐの保湿
化粧水、美容液、乳液、クリームでしっかり保湿しましょう。目元や口元は特に乾燥しやすい部分なので、重点的にケアすることが肝要です。
加湿器の使用
室内の湿度を適切に保つことも効果的です。
日焼け止めの使用
紫外線は、コラーゲンやエラスチンを破壊し、肌の老化を促進します。季節や天候を問わず、帽子や日傘で直射日光を避け、サングラスで目元の皮膚を守りましょう。
化粧品
コラーゲンやエラスチンの生成を促進する成分が含まれた化粧品を使用することも効果的です。レチノール(ビタミンAの一種で、コラーゲンの生成を促進)、ビタミンC誘導体(抗酸化作用があり、コラーゲンの生成を助ける)、ペプチド(肌のハリを改善する)などが推奨されます。
よくある質問

Q1. 痛みはありますか?
表面麻酔やアイスパックにより痛みを軽減します。また、使用するヒアルロン酸製剤にも麻酔成分が含まれているため、注入中の痛みも和らぎます。多くのお客様が「思ったより痛くなかった」とおっしゃいます。
Q2. 施術時間はどのくらいですか?
注入自体は約10〜20分程度です。カウンセリングから施術終了まで含めると、予約の状況にもよりますが初回は約60〜90分程度です。
Q3. ダウンタイムはありますか?
多くの場合、ダウンタイムはほとんどありません。軽度の腫れや赤みが生じることがありますが、数時間〜数日程度で治まります。メイクは当日から可能なため、翌日から通常の生活に戻れます。
Q4. いつから効果を実感できますか?
施術直後から効果を実感できます。数日かけて徐々に馴染み、1週間程度で自然な仕上がりに落ち着きます。
Q5. どのくらい持続しますか?
使用する製剤や個人差にもよりますが、当院で使っているヒアルロン酸の場合は1年半前後くらいでなくなるイメージです。1年〜2年に一回ほどのペースで入れなおしされるのがちょうど良いかと思います。
まとめ:ヒアルロン酸でマリオネットラインを改善
マリオネットラインは、加齢に伴うコラーゲンやエラスチンの減少、表情筋の衰え、骨格の変化など、複数の要因が重なって形成されます。
このマリオネットラインを改善する方法として、ヒアルロン酸注入は非常に効果的な治療法です。即効性があり、体内にもともと存在する成分で安全性が高く、適切に注入すれば自然な仕上がりになり、ダウンタイムが少なく、万が一の場合もヒアルロニダーゼで分解可能という多くのメリットがあります。
治療を受ける際は、経験豊富な医師を選び、十分なカウンセリングを受け、高品質な製剤を使用し、アフターフォロー体制が整っているか確認することが重要です。ヒアルロン酸は簡単な治療と思われがちですが、注入技術によって仕上がりもリスクも大きく変わる施術です。
また、日常的なケアとして、適切なスキンケア、紫外線対策、バランスの良い食事、十分な睡眠、禁煙、適度な運動を心がけることで、より若々しい印象を長く保つことができます。
マリオネットラインは、多くの方が気にされる老化のサインですが、適切な治療とケアにより、改善することが可能です。
詳しい治療内容や費用については、アイリスビューティークリニックのWEBサイトをご覧ください。

著者情報
Iris beauty clinic
院長 平井 聡一郎 Dr.Hirai Soichiro
経歴
2017年岡山大学医学部医学科卒業
(在学中にUniversity of Michiganにてclinical electiveの経験)
2017年神戸市立医療センター中央市民病院
2019年湘南美容クリニック 入職
2021年湘南美容クリニック 奈良院 院長就任
2023年湘南美容クリニック 神戸院 院長就任
2023年湘南美容クリニック 神戸三宮院 院長就任
2023年湘南美容クリニック エリア統括ドクター就任
2025年Iris beauty clinic 開院

