ボトックスで二重が狭くなる?まぶたが重い?原因と対策を7,000件超の実績をもつ医師が解説
「額のシワを消したい」と「二重幅を維持したい」。
この2つは、実は同時に叶えるのが簡単ではないケースがあります。
額にボトックスを打ったら、二重の幅が狭くなった。まぶたが重くなって目が開きにくい。こうした相談は、美容外科のカウンセリングでは珍しいものではありません。実際、額のボトックスを打ったことがある方のうち、二重幅への影響について相談に来る方の半分くらいは何らかの変化を感じています。
なぜこれが起こるのか。実は、額の筋肉とまぶたの開き方には密接な関係があります。
私はこれまで二重整形を7,000件以上行ってきましたし、ボトックスビスタ®認定資格医として日常的にボトックス注射も行っています。しかも自分自身も額や眉間に定期的にボトックスを打っているので、効き方の感覚は身をもって理解しています。
この記事では、ボトックスで二重が狭くなる原因と予防法、改善策、そして「ボトックスと二重整形の正しい順番」までお話しします。
目次
1. 額のボトックスで二重が狭くなるメカニズム
2. 眼瞼下垂が隠れているケース
3. 二重幅が狭くなったときの改善法
4. ボトックスで二重が狭くならないための予防法
5. 埋没法の二重はボトックスで取れるのか
6. ボトックスと二重整形の順番
7. よくある質問
8. まとめ
額のボトックスで二重が狭くなるメカニズム
前頭筋と眼瞼挙筋の関係
まず、基本的な解剖の話をします。
目を開ける主役は「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」という筋肉です。簡単に言うと、まぶたを持ち上げる専用の筋肉ですね。
一方、額には「前頭筋(ぜんとうきん)」という筋肉があります。これは眉毛を上げる筋肉で、額にシワを作る原因でもあります。ボトックスで額のシワを取るときは、この前頭筋の動きを抑えるわけです。
ここで問題になるのが、前頭筋が「サポート役」として目を開けるのを手伝っている方がいるということです。
おでこの力で目を開けている方には、大きく分けて2つのパターンがあります。
- 眼瞼挙筋の力が弱い方——いわゆる眼瞼下垂の傾向がある方です。挙筋の力だけではまぶたを十分に持ち上げられないため、前頭筋で補助しています
- まぶたの皮膚がたるんで被さっている方——挙筋の力自体は正常でも、余った皮膚の重みでまぶたが下がり、それを前頭筋で持ち上げている状態です
どちらのパターンでも、おでこにシワが寄りやすい・眉毛を上げるクセがあるといった共通点があります。こういう方は、無意識のうちに前頭筋で目を開けている可能性があります。
「おでこの力で目を開けている人」が影響を受ける
では、前頭筋がサポートしている状態でボトックスを打つとどうなるか。
サポートがなくなるので、まぶたが下がります。その結果、二重の幅が狭くなったり、目が開きにくくなったりするわけです。
逆に言うと、眼瞼挙筋がしっかり機能している方は、額にボトックスを打っても二重幅にはほとんど影響しません。私自身がまさにそうで、額にも眉間にも定期的にボトックスを打っていますが、目を開ける力が強いので二重幅は全く変わりません。
つまり、ボトックスで二重が狭くなるかどうかは、その方のまぶたの「開く力」がどこに依存しているかで決まるんです。そして、これはカウンセリングで診察すればすぐにわかります。眉を押さえた状態で目を開けてもらうだけで、前頭筋に依存しているかどうかは判断できます。
眼瞼下垂が隠れているケース
軽度の眼瞼下垂とは
「眼瞼下垂(がんけんかすい)」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。
簡単に言うと、まぶたを開ける力が弱くなっている状態です。先天的なものもありますが、加齢やコンタクトレンズの長期使用などで後天的に起こることもあります。
軽度の眼瞼下垂の場合、前頭筋が補助的に働いて目を開けているので、日常生活では気づかないことが多いです。額のシワが深い方、眉毛の位置が高い方は、実は軽度の眼瞼下垂が隠れている可能性があります。
ちなみに、眼瞼下垂の相談に来る方の中で、コンタクトレンズの長期使用が原因かなと感じるケースは3〜4割くらいはいる印象です。コンタクトを長年使っている方は、少し意識しておいた方がいいかもしれません。
ボトックスで「顕在化」するパターン
こういう方が額にボトックスを打つと、前頭筋のサポートが失われて、隠れていた眼瞼下垂が一気に表面化します。
率直に言うと、額のボトックスで二重が極端に狭くなる方は、ボトックスが悪いのではなく、もともと眼瞼下垂があった可能性が高いです。 ボトックスがきっかけで発覚した、と考えた方が正確ですね。
この場合、ボトックスの効果が切れれば元に戻りますが、根本的な問題は解決していません。眼瞼下垂がある方は、額のボトックスを繰り返すよりも、まず眼瞼下垂の治療を検討した方がいいと私は考えています。
二重幅が狭くなったときの改善法
経過観察で戻るケース
まず安心していただきたいのは、ボトックスの効果は永久ではないということです。
効果の持続期間は個人差がありますが、一般的に3〜4ヶ月程度です。注射後2週間ほどで症状のピークを迎え、その後は徐々に効果が薄れていきます。効果が切れれば、前頭筋の動きが戻り、二重幅も元に戻ることがほとんどです。
したがって、軽度の変化であれば、無理に何かをするよりも経過観察で待つのが現実的な選択肢です。
アセチルコリン塩化物注射について
「ボトックスの効果を緩和する注射がある」という情報を目にすることがあるかもしれません。アセチルコリン塩化物注射というもので、ボトックスで抑えられた筋肉の動きを一時的に回復させる作用があります。
ただし、当院ではこの注射は対応していません。
理由を説明すると、アセチルコリン塩化物注射はボトックスを打った直後に打たないとほとんど効果が出ません。一方で、ボトックスの効き目が出てくるのは注射後1〜2週間です。つまり、「ボトックスが効きすぎて困った」と感じてから打っても、もう手遅れなんですよね。タイミング的に成り立たない処置だと考えているので、メニューに入れていません。
根本的な解決策としての眼瞼下垂治療
ボトックスを打つたびに二重が狭くなるという方は、先ほどお話しした通り、眼瞼下垂が根本原因になっている可能性があります。
この場合、ボトックスの量を調整するだけでは限界があります。眼瞼下垂を治療した上で額のボトックスを打てば、二重幅を維持したままシワも改善できます。 実際、眼瞼下垂の治療後にボトックスを打った方は、基本的に二重幅への影響なく額のシワが改善できています。
なお、癖で眉毛を上げてしまって二重幅が広く見えすぎるのが気になる方は、あえて眉を下げるためにボトックスを活用することもあります。このあたりは一人ひとりの状態に応じた判断になります。
当院では眼瞼下垂手術も対応しています。二重整形と同時に行うことで、ダウンタイムをまとめることもできますので、気になる方はカウンセリングでご相談ください。
ボトックスで二重が狭くならないための予防法
少量から試す
初めて額にボトックスを打つ場合は、少量から試すのが鉄則です。
少なめに打ってみて、まぶたへの影響を確認する。問題なければ次回以降に量を増やしていく。この手順を踏むことで、いきなり二重が狭くなるリスクを抑えやすくなります。
「せっかく来たからしっかり打ちたい」というお気持ちはわかりますが、ボトックスは打ちすぎると元に戻すのが難しい施術です。足りなければ追加できますが、多すぎた場合は効果が切れるのを待つしかありません。
ちなみに、私の中では額のボトックスの標準量は12単位くらいのイメージです。自分自身もそのくらいの量で打っています。業界的には額の単位数が多めのところが多い気がしますが、パキパキに固めたい方ってそんなに多くないですよね。不自然になったり重くなったりする方が嫌でしょう。
「打つ深さ」がカギになる
よく「眉毛から離れた上の方にだけ打てば安全」と言われることがありますが、これは必ずしも正しくありません。
上の方にだけ打つと、下の方の前頭筋だけが動いてしまい、むしろ眉毛の上あたりにシワが寄って余計に気になるという方がちょこちょこいます。
実は、注入部位よりも打つ深さの方がずっと大切です。 筋肉への注入の深さを適切にコントロールすることで、前頭筋の動きをバランスよく抑えながら、まぶたへの影響を最小限にできます。
他院で「上の方にだけ打ってもらったけど、下の方のシワが余計に気になるようになった」という方が当院に来られることがありますが、深さを調節して打ち直すと「ちょうどいい感じに効いています」と言っていただけることが結構あります。
打つ前に確認すべきこと
額のボトックスを検討している方には、施術前に以下のセルフチェックをおすすめします。
- 眉毛を動かさずに目を大きく開けられるか
- おでこを手で押さえた状態で目がしっかり開くか
これで目が開きにくいと感じる方は、前頭筋に依存して目を開けている可能性があります。カウンセリング時に必ず医師に伝えてください。
当院ではボトックスの施術前に、まぶたの開き具合を必ず確認しています。影響が出そうかどうかは診察すればすぐにわかるので、打たない方が良さそうであれば正直にお伝えしています。埋没法でまぶたの状態を改善できることもありますし、場合によっては切開法を先に検討した方がいいケースもあります。
経過を見てくれるクリニックを選ぶ
ボトックスは打った直後には結果がわからない施術です。効き目が安定するのは注射後2週間程度。だからこそ、2週間後くらいのタイミングで経過を診てくれて、次回以降の量を相談できるクリニックを選ぶことが大切です。
経過を見て調節するのが、最もいい効果を安定して出すコツです。そういう先生の方が効き目をちゃんと見ているから上手いと思いますよ。
埋没法の二重はボトックスで取れるのか
「埋没法で作った二重が、ボトックスで取れてしまうのでは」という不安を持っている方もいると思います。
結論から言うと、ボトックスが埋没法の糸に直接影響を与えることはありません。 二重が取れる取れないとは全く関係ないです。
ボトックスは筋肉に作用する薬剤であり、糸そのものを溶かしたり緩めたりする作用はないからです。
ただし、先ほど説明した通り、額のボトックスでまぶたが下がると、二重の幅が見た目上は狭くなります。これは糸が取れたわけではなく、まぶたの位置が変わったことで見え方が変わっているだけです。ボトックスの効果が切れれば、元の二重幅に戻ります。
もし「ボトックスを打ったら二重が取れた気がする」と感じることがあるとすれば、眉の動きの変化でたまたま二重のラインに見えるようなシワができていただけ、という可能性が高いです。
ボトックスと二重整形の順番
ボトックスと二重整形の両方を考えている方から、「どちらを先にやるべきですか?」と聞かれることがあります。
まぶたが重くなるのが嫌なら二重整形を先にやるという考え方もあります。しかし、私の考えとしては、どちらかというと先にボトックスを打つ方がメリットが大きいです。
なぜかというと、額にボトックスを打つと眉が下がります。二重整形の後には同じように眉が下がることが多いので、ボトックスで先に眉が下がった状態を作っておけば、それが二重整形後のシミュレーションになるからです。
ボトックスを打った状態で二重のデザインを決めた方が、術後のギャップが少なくなります。
ただし、眼瞼下垂が強すぎる方は例外です。その場合は先に眼瞼下垂の治療を行い、まぶたの開く力を改善してからボトックスを検討する方が安全です。
二重整形が完成してラインが安定した後(埋没法であれば2ヶ月程度、切開法であれば3〜6ヶ月程度)に、改めて額のボトックスの量を微調整していくのがよいと思います。
よくある質問
Q1. 眉間のボトックスでも二重に影響しますか?
Q2. ボトックスで二重が狭くなった場合、次回も同じことが起きますか?
Q3. 目尻のボトックスでも二重幅は変わりますか?
Q4. ボトックスの効果が切れる前に二重整形を受けても問題ありませんか?
Q5. コンタクトレンズを長年使っていますが、ボトックスで二重が狭くなりやすいですか?
まとめ
額のボトックスで二重が狭くなるのは、「前頭筋のサポートでまぶたを開けている人」に起こる現象です。
ボトックスそのものが悪いわけではなく、まぶたを開ける力のバランスの問題です。少量から試す、打つ深さを適切にコントロールする、事前にまぶたの状態を確認する。こうした予防策を取ることが大事です。
一方で、ボトックスを打つたびに二重が狭くなる方は、眼瞼下垂が隠れている可能性があります。その場合は、ボトックスの調整だけで対処するのではなく、根本的な治療を検討した方が長期的には良い結果につながると私は考えています。
「額のシワも取りたいし、二重幅も維持したい」。この2つを両立するための方法は、お一人おひとりの目元の状態によって異なります。
ボトックスと二重の両方に悩んでいる方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。まぶたの状態をしっかり診察した上で、最適な順番と方法をご提案します。
自由診療の必須記載事項
ボトックス注射
- 施術名:ボトックス注射(ボツリヌストキシン製剤注入)
- 施術内容:ボツリヌストキシンを筋肉に注入し、過剰な筋肉の動きを一時的にリラックスさせる治療。当院では厚生労働省承認のボトックスビスタ®を含む複数の薬剤を使用
- 費用(税込):表情じわ(額・眉間・目尻等)1部位 ¥9,000〜¥15,000 / 全顔オーダーメイド(50単位まで)¥40,000〜¥50,000
- リスク・副作用:内出血、腫れ、表情の違和感、眉毛下垂、まぶたの重み(前頭筋への注射の場合)
- 施術時間:5〜15分程度
- 持続期間:3〜4ヶ月程度(個人差あり)
二重埋没法(アイリスループ)
- 施術名:二重埋没法(アイリスループダブル / アイリスループトリプル)
- 施術内容:医療用の糸をまぶたに通し、裏留め・線留めで二重のラインを形成する施術
- 費用(税込):アイリスループダブル ¥220,000(モニター¥180,000)/ アイリスループトリプル ¥300,000(モニター¥250,000)
- リスク・副作用:内出血、腫れ、むくみ、左右差、熱感、頭痛、違和感、目のゴロつき、ラインの消失や乱れ、希望幅との相違、眉下垂による幅変化
- 施術時間:約20分
- ダウンタイム:腫れ・内出血は数日〜1週間程度。完成は約2ヶ月
眼瞼下垂手術
- 施術名:眼瞼下垂手術
- 施術内容:まぶたを切開し、眼瞼挙筋腱膜を短縮・再固定することで目の開きを改善する手術。二重ラインの形成と同時に行う
- 費用(税込):¥500,000(モニター¥420,000)。たるみ取り併用 +¥55,000、ROOF切除 +¥100,000、他院抜糸 +¥50,000
- リスク・副作用:内出血、腫れ、むくみ、左右差、傷跡、感染、二重ラインの不整、瘢痕拘縮、知覚鈍麻、閉瞼困難、過矯正・低矯正の可能性
- 施術時間:約90分
- ダウンタイム:強い腫れは2〜3週間程度。早い方は1週間でかなり改善。仕上がりの完成は半年〜1年
※効果・ダウンタイムには個人差があります。詳しくはカウンセリングでご説明いたします。
※料金は2026年4月時点のものです。最新の料金は料金ページをご確認ください。

著者情報
Iris beauty clinic
院長 平井 聡一郎 Dr.Hirai Soichiro
経歴
2017年岡山大学医学部医学科卒業
(在学中にUniversity of Michiganにてclinical electiveの経験)
2017年神戸市立医療センター中央市民病院
2019年湘南美容クリニック 入職
2021年湘南美容クリニック 奈良院 院長就任
2023年湘南美容クリニック 神戸院 院長就任
2023年湘南美容クリニック 神戸三宮院 院長就任
2023年湘南美容クリニック エリア統括ドクター就任
2025年Iris beauty clinic 開院
